

―夜勤をされることもあるのですか?
私は夜勤をしませんので、9〜19時の勤務です。夜間診療は多い時で15組以上の患者さんが来ることもあります。時にはスタッフが足りなくなって、近所に住むスタッフが借り出される時もあります。事故や一刻を争う深刻な症状で来られる方もいますが、一方で深刻でないケースもありますね。しかし、私たちが診察することで、飼い主さんが安心されて帰宅する姿を見ると、来ていただいてよかったと思いますね。朝から症状が出ていたのに、大丈夫だから様子を見ようと日中を過ごして、日が暮れてから不安になるケースが多いようです。夜になると不安な気持ちになりやすいですし、もし眠っている間に悪化したらどうしよう、そんな気持ちで来院されたり、お電話で問い合わせいただくことが多いですね。
―診察中に暴れたり、噛みついたりされませんか?
怖がりのワンちゃんやネコちゃん、あるいは痛みのある部位に触れたときは反射的に噛みつこうとされることもありますね。治療の前には、撫でながら優しい声で話しかけて、気持ちを落ち着かせるようにしていますから、たいていは診療台でおとなしくしてくれていますよ。ワンちゃんは優しくのんびりとした声が好きですね。お母さんが赤ちゃんをあやすように話すといいようです。反対に鋭く話されるのを嫌います。男性が苦手というワンちゃんは、男性の話し方が苦手なのかもしれませんね。
―思い出に残る患者さんはいますか?
病気を治すのが私たちの仕事ですが、完治が望めないときもあります。ガンにかかったトイプードルが思い出に残っていますね。再発と転移を繰り返し、完治の可能性は限りなくゼロに近かったのですが、毎週抗がん剤の治療に通ってくれました。前向きに治療に取り組む姿を見て、常に完治させてあげられない歯がゆさを感じましたし、どのような姿勢で治療に取り組んでいくべきかとても考えさせられました。今は天国へ旅立ってしまった、そのワンちゃんから多くのことを教わったような気がしますね。