
―総合病院で約20年間、整形外科の専門医としてやられてきたわけですが、なぜ開業医になろうと思われたのですか?
最初のうちは、手術や外来をしたりして患者さんと触れ合う機会も多いんです。だけど長く勤めているうちに、臨床とは離れたことをする機会も多くなってきます。仕方のないことなんですが、医者として患者さんと向き合って仕事をして、「ありがとうございました」と言ってもらえる機会がなくなってくるんです。開業医は患者さんの声が、直に聞けるじゃないですか。いい加減なことをすれば自分が困るし、きちんとした治療をすれば感謝してもらえる。本当に反応が「生」なんです。今のやりがいは、やっぱりそういう患者さんの声ですね。それと20年以上「整形外科」という専門的な学問を学び、手術をたくさんして、直接患部を見てきた後に開業したのは正解でした。その経験があるからこそ、きちんとした診断と治療ができるんだと思います。
―先生の医療スタンスをお聞かせください。
正しく診断して、それに対して一番良い治療をして、結果を出す、ということが重要だと思います。整形外科の場合ベストな治療法は、一つとは限りません。スポーツでいためた場合でも、練習を休める人もいるでしょうが、休みたくない人もいるはずです。みんなに同じように安静を指示したり、同じ固定方法では最適な治療とはいえないと思います。それぞれの患者さんのニーズにあった、オーダーメイドの治療プランが必要だと思うんです。「小さくても創意を」を常に念頭に、患者さんから「ありがとうございました」と言ってもらうために努力を惜しまない。それが僕の信条です。ただ、じっくり診察をして、治療方法を相談していると、どうしても患者さんに「待ち時間が長い」と言われるジレンマもあるんです。そこが、難しいところでしょうか。
先生の目指されている医院像を教えてください。
「あそこに行ったらちゃんと診てくれて、ちゃんと診断結果を説明してくれて、ちゃんと治してくれるよ」と言われるようなクリニックですね。きちんと診察・診断して、きちんと治療する、学問的にレベルの高い整形外科をやりたいんです。若い人でもお年寄りでも、納得のいってもらえるクリニックを目指しています。