
―開業の場を市ヶ尾に選ばれたのはなぜですか?
大学病院に10年席を置き、開業するに至ったのですが、開業の場所は都内も視野に入れていろいろ考えました。港北ニュータウンなども見て回りましたが、その当時はまだ開発も進んでおらずあまりにも何もなくてやめました。妻の両親が鷺沼に住んでいる関係もあり、田園都市沿線を探して市ヶ尾のこの地に開業することにしました。この20年で田園都市沿線はどんどん開けていき、昔の面影が残っていない街が多い中、市ヶ尾はあまり変わっていない気がします。他の街に比べてもマンションなどの大きな建物が少なく、20年前と変わらない風景の場所も多くあります。
―開業して感じたことはありますか?
開業して違いを感じたのは、患者さんとの距離ですね。大学病院だとどうしても、高いところから患者さんを見下ろしている感じがありました。患者さんとの接し方も、機械的というか、淡白というか。でも開業してからは、患者さんと同じ立場、同じ目線の高さで話を聞いて、話をすることが大切だと感じました。医者=『怖い』、『威張っている』といった印象をもたれないように、なんでも気軽に質問できる話しやすい医院にしていきたいですね。今でも週に一度、木曜日に大学病院の外来を受け持っているのですが、たまに医師の前では自分が感じている症状を上手く伝えることが出来ず、受付や調剤薬局に行ってから、症状の説明をする方がいます。そういうことがないよう、なんでも気楽に話せる医院でありたいと思っています。また、大学病院ではお子さんの患者さんが来ることはほとんどありませんでした。泣き叫ぶお子さんを診察することなんてなかったのですが、開業してからは大人だけでなくお子さんの患者さんも来院します。お子さんにとったら痛くなくても鼻や耳に器具を入れられるのは怖いと思います。なので出来るだけ怖がらせないように、話しかけて子供の様子を見ながら、優しく接するようにしています。
―どのような症状の患者さんが多いですか?
うちは小さいお子さんと高齢の患者さんが多いですね。高齢の方の症状は、耳の聞こえが悪い、詰まった感じがするというのが多く、お子さんはアレルギーと急性の鼻炎や中耳炎で、症状としては、鼻水が出る、のどが痛い、耳が痛いといったところでしょうか。耳鼻科が特に忙しいのは春と冬。花粉が飛ぶ季節と風邪の季節。花粉症に限らずアレルギー性鼻炎の方は多いですね。アレルギー性鼻炎は体質的なものなので、薬を飲んだら完全に治るというものでもなければ、症状がどんどん進んでいって大変なことになってしまうという病気でもありません。症状がひどい時は薬で抑えるようにしますが、場合によってはレーザー治療などの手術療法が必要になる事があります。その時は手術ができる病院を紹介するようにしています。生活に支障のない程度のアレルギー性鼻炎でしたら、できるだけ薬を使わずに様子を見ていく事もあります。