

青葉台から歩いて5分程、なだらかな坂を上ると、一軒屋の白い建物が見える。横浜青葉台クリニックの小さな看板がなければ、レストランと思ってしまうだろう。白を基調にカントリーテイストをほんの少しきかせた明るい内装の院内だが、ドアの向こうにはCTスキャンやマンモグラフィーなどの最新の医療機器がところ狭しと並んでいる。小児放射線科の専門医として、日本では先駆者的な存在である院長の小田切邦雄先生に、放射線科とは何かをお伺いした。(取材日2007年2月21日)
―医師を志したきっかけをお聞かせください。
医師になろうと思った大きなきっかけや出来事はありませんね。父も内科医でしたから、幼い頃から、頭の片隅で医師という職業を意識していたように思います。中高生の頃は工学に興味を持っていたので、漠然とエンジニアになりたいと思っていたこともありました。しかし、気がついたら自分も父と同じ道を選んでいました。
―小児放射線科を専門にされたきっかけをお聞かせください。
当初は小児科医として大学の医学部に勤務していました。医師になって3年ほど経った1970年に小児医療の勉強を深めるために、アメリカに6年間留学しました。その留学先で小児放射線科という日本では広く知られていない分野と出会い、大変に興味を持ったと同時に、この分野を深く学びたいという思いにかられました。日本の放射線医学、特に小児放射線医学は欧米に遅れをとっている分野でしたから、何としても学ばなくてはならない、そんな思いがあったのだと思います。
―放射線科とは、どのような診療なのでしょうか。
放射線科をメインとして開業するケースはあまり多くありませんので、あまり耳なじみがないかもしれませんが、医療の現場においては重要な役割を担っています。放射線科は大きくわけて、放射線治療と放射線診断との2つに分けることができます。放射線治療は、悪性腫瘍などに放射線を照射して治療を行います。一方、私が専門としているのは放射線診断で、レントゲンやCTスキャン、超音波などを用いて、病気の診断を行っています。わかりやすく言いますと、目には見えない身体の内部を、放射線を用いて画像化して、そこに病気がないか、病気があったらとしたら、どのような状態かを診断します。正しい診断のためには、臓器別の専門を超えた横断的な知識と経験が求められます。