溝の口駅から無料バスが運行されている、かながわサイエンスパーク(KSP)。KSPビルの5階のKSPクリニックは、このビルで働く人にとってとても便利な存在だ。仕事の合間にここを訪れる人も多いという。理事長の大矢先生は、コンビニエンスストアのように気軽に入れる、身近なクリニックにしたいと話す。人間ドックや健康診断も積極的に行っており、働く人たちの強い味方と言えそうだ。(取材日2009年2月17日)
―消化器外科ご専門されたのはどのような理由からですか。
もともとは消化器外科を専門にやっていて、数多くの手術を執刀してきました。今では消化器外科を中心にしながらも、専門性にとらわれ過ぎることなく、総合医として広く診療を行っています。私が小さい頃の医師はなんでも診てくれました。風邪をひいても、ケガをしても、湿疹ができたときも同じ医師が診療をしてくれました。何でもできる総合医が当たり前の時代だったんです。私が医師になってからは、ひとつの専門分野に特化した専門医が増えて、その一方で総合医は減ってしまいました。
―総合医を目指されたのはどのようなお考えからですか。
専門医が増えることはそれだけ医療のレベルが上がるということですが、患者さんにとって都合の良いことばかりではありません。最初から専門医にかかる患者さんはほとんどいないはずです。ちょっとした症状の時に、わざわざ専門医にかかりませんよね。例えるなら、私のような総合医は街のコンビニエンスストアのような存在です。店内に雑誌はあるけれど、書店ほどの品揃えはありません。専門医はひとつのジャンルに特化した書店だと考えてください。家の近くにあるわけではないけれど、そこにしかない書籍を買うためなら、わざわざ足を運んでも良いですよね。専門医ばかり増えても、患者さんはどこに行ったらいいのか戸惑うと思うんです。患者さんの側から見ると、専門医との懸け橋になる総合医が必要なのです。そのような考えから、総合医の必要性を痛感し、目指す決意をしました。そのためにはさまざまな疾病を猛勉強しました。医師不足が深刻化している昨今、総合医が増えることが医師不足の解消につながると思っています。