「私の仕事は街の空間づくりなんですよ。歯科医師はその中の一つなんですね。」と院長の岡本先生はにっこり。ある時は商店街のイベントを企画するデザイナー、ある時は蕎麦屋の店主という一面も。風貌からも歯科医師というより、芸術家という表現がぴったり来る岡本先生は、アートにも造詣が深い。多摩美術大学の学生さんや新人作家さんに活躍の場をということで、院内をアートサロンとして開放している。さらに、診察室と待合室を分けないスタイルは、患者さんとの垣根を取り払いたい先生の発案だとか。取材中でも「お大事にね。」と患者さんひとりひとりに声をかける岡本先生。何よりもコミュニケーションを大切にしている先生らしさが、院内のあちこちに見られる。「創造性を大切に、仕事も治療も人生はデザインです。」と言い切る岡本先生の真意とは? 岡本先生流哲学を存分に語っていただいた。(取材日2008年2月26日)
―診察室と待合室は分かれていないのですね?
昔から閉鎖感がある壁が嫌いだったので、こんな感じであえて分けずに診察しています。患者さんとの壁を取り払いたかったというのが、最大の理由ですね。
―院内のあちこちに、多摩美術大学の学生さんの作品を飾っておられるのですね?
院内を彼らに開放しています。というのは、私にとってアートは、必然的に必要なものなんですね。創造性のない人生は歩きたくないんです。それを踏まえたうえで、なぜ彼らに開放しているかというと、みんな美大でアートを勉強しているのに、それを本格的に実現する道へはなかなか行けないのが現実です。一流のアーティストはいいのですが、そうじゃないアーティストもいるわけで。私はそういった方々をひっぱり上げたいんです。アーティストにご縁があって、多摩美術大学の学生さんたちにスペースを提供しています。今年の1月に銀座デンタルデザインクリニックを開業したのですが、診察を行っていない土日は、ギャラリーとして開放できるようにと考えています。創造力を持つことは大切です。アートは私の人生の根幹をなしている発想ですから。