
―どのような子供時代だったのでしょう?
実は祖父母が栃木で歯科医院を、東京で父が開業していたので、栃木と東京を行ったり来たりしていました。父は1日100人の外来を抱える歯科医だったのですが、お金が払えない患者さんでも快く診ていました。お礼にと畑でとれた野菜を持ってきてくださった方も。そんな忙しい父を子供心にも手伝いたいと思ったんですね。小学校の卒業文集でも「歯医者になりたい」と書いてあったようで、実は書いた覚えがないんですけどね(笑)。
―力を注がれている専門分野は何でしょう?
インプラントも歯周病治療も一般歯科もやっていますが、なかでも力を入れているのは咬み合わせ治療です。咬み合わせとは、上顎と下顎を閉じたときの接触状態をいうのですが、虫歯の治療や抜歯など、ちょっとしたことで乱れてしまいます。そういった咬み合わせのズレが全身のさまざまな影響を与え、頭痛や肩こり、めまいや胃腸障害などの症状を発症することがあるんですね。実は噛み合わせがずれてる人って意外に多いんですよ。
―咬み合わせのズレはどうやってわかるのですか?
肩こりや頭痛で悩む患者さんが整形外科から咬み合わせが原因ではと、歯科医への通院を薦められるようです。最近は、咬み合わせと全身の関係について理解されている整形外科や内科の医師が増えてきています。うちでは根本的に治そうと、特殊なコンピューターシステムにより患者さんひとりひとりの健康状態や頭部、顎の動きなどを豊富なデータと照合し、骨格にふさわしい咬み合わせを導き出します。そのデータをもとに、こちらの歯を削り、あちらの歯を上げてと、半年から1年ぐらいかけて、顕微鏡レベルで歯を作っていきます。
―なぜ、あえて咬み合わせに注目されたのでしょうか?
いろいろな患者さんと接していると、歯の悩みだけでなく、心や身体の悩みまで話してくださるんですね。そのうちに、心や身体の不調の原因は咬み合わせのズレではないかと感じられたんです。私は歯の治療だけしていればいいわけじゃないんだ。歯のみならず患者さん自身を診てみようと、特殊な咬み合わせについて本格的に勉強を始めました。患者さんのために、自分ができることはないか、何を訴えていらしているのか、自分なりに聞いて、こうしたらいいということを提案させていただく。双方の考えが一致したところで、治療を始めます。