

駒澤大学駅から歩くこと3分。道を隔てただけで、大通りの喧騒を忘れてしまう。そんな閑静な住宅街にたたずむ西澤内科クリニック。エントランスをくぐると、品良く誂えられたインテリアとアロマセラピーの優しい香りが迎えてくれた。院長の西澤先生は優しい笑顔でインタビューに応じてくださった。ゆっくりとひとつひとつ選んで発せられる言葉は、暖かで前向きな気持ちにさせてくれるものばかりだった。(取材日2008年3月3日)
―医師を志したきっかけをお聞かせください。
私が生まれ育ったのは長野県のごく普通の農家ですが、幼い頃から家族に、先祖の一人は解体新書の頃、長崎の出島でオランダ医学を学び、江戸で開業していた人だったと聞かされていました。ですから医学というものにずっと強い憧れを抱いていました。
―循環器を専門にされた理由はどのようなことでしょうか?
そもそもは、学生時代に内科教授の人柄に惹かれ、その先生に師事したいという強い思いがあったからです。また、私が医師になった34年前は、聴診器一本で心臓の病気が分かる循環器科が花形で、特に医学生から人気があり活気のある診療科でした。いまではベーシックになった、心臓弁膜症や急性心筋梗塞などの術式や治療法が確立し出したのもこの頃で、目覚しく発展していました。その後、先端の医療を学びたいという思いで、1980年に米国に留学させていただき、循環器科の道を歩むようになりました。
―患者さんの考え方や訴えに変化を感じることはありますか?
昔と比べて、病状そのものはあまり変化ありません。苦しいものは苦しいですし、痛いものは痛いという患者さんの訴えることは同じだと思います。医療技術が進歩し、患者さんに余計な負担を与えずに検査や治療ができるようになり、これまで治せなかった病気が治るようになったり、という医療提供側の変化の方が大きいのではないかと思います。日々の診療では、昔に比べて、精神的なストレスを抱えている患者さんが非常に多くなったように感じます。いつの時代でもストレスはあったと思いますが、医療情報が過剰になっていることや、社会構造自体がストレスを与えやすくなっているのではないかと感じています。