自由が丘駅から歩いて3分。エレベーターを降りると、入り口の壁一面に大きな絵が描かれている。院長の陣内先生が大好きなマティスの絵を模して描いたものだという。やわらかな日差しが注ぎ込むカフェのような待合室にもマティスの絵がセンス良く飾られている。診察室へ行く廊下には、先生の作品である可愛らしい子豚ちゃんが出迎えてくれるようだ。陣内先生は、不妊治療が辛く悲しいものであってはならないと語ってくれた。ハッピーになるために通う場所にしたい、そんな思いが隅々にまで感じられた。(取材日2008年1月17日)
―産婦人科医になったきっかけをお聞かせください。
どの科に進もうかと迷いましたが、産婦人科=おめでたいハッピーな科というイメージがあり、毎日楽しく幸せを感じながら仕事ができると思って産婦人科へ進みました。しかし、私が医師になった頃はちょうど産婦人科に進む者が減っている時期でもあって、おめでとう気分に浸っている時間がないほど忙しくて過酷でした。忙しい分だけ、より多くのことを学んで、自分のものとして吸収できたのですが、あんなにも忙しいと夢にも思いませんでしたね。
―不妊治療を専門にされたとはどのような理由からですか?
産婦人科は大きく分けて、出産に関わる産科と、悪性腫瘍を治療する科、生殖に関わる科の3つに分けることができます。医師として出産をサポートしながらも、私の力は本当に必要なのだろうか、もっと自分に合った分野があるのではないかと焦りのようなものを感じていました。そのような中、あるとき不妊治療に携わったときに、不妊治療こそ医師の力なしではできない治療だとひらめきを感じました。私は性格上、人に喜ばれたい、役に立ちたいというタイプなので、不妊治療はまさに私にピッタリでした。
―2007年1月より不妊を専門にされたそうですね。
これまでは、不妊治療と一般の婦人科の2つの柱で診療を行ってきましたが、私の力を必要とされている患者さんの気持ちに応えたいという思いから、2007年の1月より不妊治療の専門とさせていただきました。