
日本国内でもまだ珍しい在宅医療を中心とした診療所が都筑区にオープンしたのは昨年11月のこと。普段は患者さんが来ることが少ない診療所へお邪魔してお話を伺った。院長の神山先生はリハビリテーション科の専門医で8年間の在宅医療のキャリアがあるが、先生と呼ぶにはためらわれるような若々しさと気さくさで、良い意味で医師らしくなく何でも相談できそうな雰囲気。先生の訪問を待っている患者さんの元へ今日も駆け回っている。(取材日2008年4月1日)
―医師を志したきっかけをお聞かせください。
母が調剤薬局に勤務していたので、高校時代に簡単なアルバイトをさせてもらっていました。そこで働く薬剤師さんを見て、自分も薬剤師になりたいなと思うようになったのですが、薬剤師さんたちは口々に「絶対に医師になった方がいいよ」と言うんです。そこまで言われるほど医師っていい職業なのかと興味を持ったのがきっかけです。
―リハビリテーション科を専門にされたのはなぜですか?
最初は、医学部卒業後は眼科に進むつもりで、眼科の説明会に参加しました。眼科の先輩たちに話を聞いてみると、自分の理想とのギャップがあることに気がつきました。肩を落として帰路に向かう途中、一緒に参加した同級生から、せっかくだからリハビリテーション科を見学して帰ろうと誘われたのが、この道に進むことになった第一歩です。リハビリテーション科で話を聞いてみると、自分はここに進むしかない!というほど、理想とマッチしていたので、すぐに入局を決めました。実はリハビリテーション科がどんな科なのか知らなかったんですけどね(笑)
―リハビリテーション科とはどのような科なのですか?
医学部だった私でもリハビリテーション科をよく知らなかったくらいですから、一般の方には馴染みがないようですし、誤解をされることも多々あります。リハビリテーション科と言うと、整形外科の一部だと思われますが、独立した診療科です。骨折後などの機能低下に対して行われると想像されるようですが、それはリハビリテーションの中のほんの一部で、リハビリテーションはもっと広い領域を扱っています。外傷による機能低下のほか、脳卒中などによる麻痺や言語障害、パーキンソン病などによる歩行障害、肺炎による呼吸障害、高齢による嚥下障害など多岐にわたります。私たちリハビリテーション医はこれらの障害に対して、現状の把握と、どんなリハビリテーションを行えばどこまで回復するのかを見極めて、患者さん一人ひとりにあった、リハビリテーションのプランニングを理学・作業療法士、看護師、ご家族などと協力しながら行っています。その方のライフをプロデュースするライフプロデューサーといったところですね。