

青葉台郵便局の裏手にある「武沼小児科医院」。入口には手入れの行き届いたグリーンがさりげなく置かれ、友人のお宅に招かれたような気分になる。武沼先生のお名前の通り、温もりのある院内も清潔感に溢れており、広々とした待合スペースは、院長の武沼先生が選んだという玩具がたくさん揃っている。体調が悪く、愚図っていた子どもも、体調のことなど忘れて遊びに夢中になっているのだとか。30年以上にわたり、この地域の子どもたちの健康を見守り、子育てに悩むお母さんやお父さんたちの強い味方になっている。(取材日2008年6月9日)
―医師を志したきっかけをお聞かせください。
故郷の青森で父が医師をしていて、父の親族にも医師をしている者が多かったからでしょう。若い頃は、教師になりたいという夢を持っていたのだけれど、父から猛反対されていたんです。でも、父や親族の診療する姿を幼い頃から見ていて、医師の仕事も悪くないと思っていましたから、父の言うように医師になることに決めました。
―開業されて30年経つそうですが、開業の際にこの地を選んだのはなぜですか?
勤務医だった頃は、山形県の基幹病院をはじめ、関東近郊の各地で診療をしてきました。いよいよ自分の診療所を持ちたいと思ったときに、当然、故郷の青森に帰ることも考えていたのだけど、父の、「好きな土地でやりなさい」という一言で、自分の住みたい街で開業しようと思うようになりました。その頃は子育てのことも考え、子どもたちために一番良い場所を考えた結果、青葉台での開業にいたりました。当時は開業する小児科が少なかったですし、青葉台では私の診療所だけでしたから、広い範囲から大勢の患者さんが来てくださっていました。親御さんたちから、近所に小児科ができてよかったと口々に言ってくださるのを耳にして、みなさんの役に立つことができて、開業してよかったと思いましたね。現在、患者さんだったお子さんも、今では大きくなって自分のお子さんを連れて来てくださる。長い間、この地で診療してきたことをしみじみ感じますね。
―ニ代にわたって通っている患者さんも多いのですか?
長く診療しているので、嬉しいことに二代三代で通ってくださる方もいらっしゃいますね。小児科というのは、だいたい小学生くらいまでのお付き合いですし、成長するにしたがって、体も丈夫になるとだんだんと来院も少なくなります。10年、20年ぶりに来院された若いお母さんに、私も通っていたんですよと打ち明けられて、思い出すことも多いですね。当時、若いお母さんだった方が、お孫さんが出来て来院してくださったりすることもあります。成人式に挨拶に来てくださったこともあります。うれしいことです。