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上野毛駅で電車を降り、そこから徒歩数分の「上野歯科医院」へ向かった。病院というよりは、どこか人の温もりを感じる"家"のようなたたずまい。ドアを開けて中に入ると、待合室に置かれた大きな水槽がコポコポ音をたて、水の中でふわふわの珊瑚が揺れていた。この穏やかな空間で、日々新たな気持ちで患者さんに接している上野隆生院長。飾らない正直な言葉からは、治療に対する真摯な姿勢がうかがえた。(取材日2008年1月24日)
歯は、身体の中でもっとも汚れていて、扱いにくい場所。
―どのような病院を目指していらっしゃいますか?
歯の治療だけでなく、患者さんが抱えているさまざまな悩みを相談してもらえるような"街の病院"でありたいですね。とくに初診の患者さんの場合は緊張して来られる方が多いので、問診の際はまずリラックスしていただけるように心がけています。コミュニケーションのとり方は、患者さんによってまちまちですよ。世間話をすることもあれば、必要とあれば叱ることだってありますから・・・。
―どんな場合にお叱りになるのですか?
たとえば親が子供に対して過保護すぎるときは、「それじゃいけない」ときちんと伝えますね。子供の歯というのは小学校を卒業するまで親が管理するべきだと思うんですけれど、何でもかんでも手を出してしまったらだめなんですよ。子供は甘えて、いつまでたっても自分でやることを覚えませんから。また、あまのじゃくな子になると、「やりなさいやりなさい」といわれるほど「やらないやらない」になってしまうケースもあるんですね。難しいのですが、教育する上では、少しずつ突き放していくことが大切だと思います。親御さんには、このまま甘やかしていると将来、子供の歯にどんな弊害が出てきてしまうのかをご説明し、次に来院されたときに親子の意識が変わっていると、すごくうれしいですね。
―歯は、身体の中でも特にどんな存在だとお考えですか?
すべての食べ物の通り道なので、身体の中でもっとも汚れている部分だと思います。でも普段じろじろ見る場所でない分、構造がわかりにくいですし、きれいにするのって本当に難しいんです。朝と昼は無理だとしても、夜は、歯ブラシ、小さなタフトブラシ、糸ヨウジの三つを使い分け、30〜40分磨くことをおすすめしています。うちの父も生前は歯医者だったんですけれど、「歯は生きるための入り口だ」とよく言っていました。ここが悪くなると内蔵まで病んでしまう恐れがあるくらい、歯は重要なんですね。
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