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息するのも食べるのも口が基本。口腔ケアの必要性を広めたい
―なぜ、まゆみ先生は往診に力を入れられるようになったのですか?
以前勤めていたクリニックで往診を経験したのですが、高齢社会だからか往診の要望が多くなりはじめたんですね。実際に行ってみたら、「これが現状なんだ。」と正直ショックが大きくて。老々介護のお宅や独居の老人のお宅を訪ねてみると、自分で口腔ケアができないような状況を目の当たりにしたんです。もっと口腔ケアの必要性を広めていかなきゃいけないと思いましたね。5〜6年前は介護ヘルパーさんや施設長さんでも、その方が入れ歯をされているかどうかもわからない、歯科の往診ってあるんですかという程度の認識でした。当時はまだ口腔ケアに対してあまり理解されていなかったんですね。何とかして少しでも口腔ケアの必要性を広めたいと、今はまだ勉強している最中というか。幸い、院長が外来を引き受けてくれるので、外に出て診療が可能な私が往診に出て、少しでもお役に立てればと思っています。
―確かに、最近でこそ歯科の往診を拝見するようになりましたね。
そうなんです。有料老人ホームで、内科や整形外科の先生は当たり前のように出入りしているのですが、当時、歯科の往診というのはあまりなかったんです。でも実は、息するのも食事するのも、基本的なことはすべて口からなんですね。それを指摘すると皆さん、改めて気づかれるというか。往診していて嬉しかったのは、私が来るのを心待ちにしてくださる患者さんがいらっしゃること。家族の方に「先生が来ると表情が豊かになるんですよ」「口紅をつけてお待ちしてるんですよ」と言われたんですよ。お口を診るので、本来、口紅は遠慮していただくのですが、キレイにして待っていてくださるというお気持ちがすごく嬉しかったですね。
―主にどのようなところを廻られているのですか?
個人のお宅や老人ホームなどの施設が多いですね。ご近所で要望があった時に、伺っています。往診は大学卒業後、3軒目のクリニックで経験したのですが、そのクリニックでは往診のチームがありまして、歯科医である私は、専門のスタッフとともに廻っていました。
―往診に行かれるようになって、気づいたことはありましたか?
ええ。往診に行くと、歯が全然無かったり、歯が腫れて痛くなってしまっている方が意外に多いんですね。そのようにならないためにも、小さい頃からの歯磨きの習慣や口腔ケアを心がけていれば、末期の症状は防げるのでないかと思うんです。例えばインプラント治療後なども、ただ打てばいいというのではなく、打った後にきちんと口腔ケアができるかどうかまで考えないといけないですよね。その方自身の、10年先まで考えた治療を行っていきたいと考えるようになりました。
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