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太陽が西に傾き始めた昼下がり。駒沢大学駅近くに2007年12月オープンした「風の診療所」へ伺った。路地に面したガラス製の壁一面に、青々とした森のCG写真が配されている。そのガラス越しに陽がさんさんと差し込む待合室で、椅子に腰かけたご年配の婦人がひとり、コックリとうたた寝していた。「長期にわたる治療も多いので、できるだけ患者さんの心が安らぐような空間にしたいと思っているんです」と微笑む斉藤栄造院長。30年以上にわたって膠原(こうげん)病リウマチ性疾患の臨床・研究・教育に力を注いできた先生は、温和な物腰の中に強い信念を秘めた方であった。(取材日2007年12月27日)
「一つの風」になりたい。
―「風の診療所」という名前の由来を教えてください。
口にするのはちょっと恥ずかしいので、ホームページやパンフレットを見てください。
【パンフレットより抜粋】
皆様の中には、「千の風になって」という曲をご存知の方も多いことと思います。この歌の詩は大切な人を失い、深い喪失感の中で悲しんでいた人々に生きる勇気を与えてきました。また、生きている私たちにも勇気を与えてくれます。私達の人生は決して無駄なものではなく、死んだ後も、残された人々の心の中に存在しうると語ってくれています。しかしこのことは、同時に、私たちに厳しい問いかけをしてもいます。人が死んだ後、千の風になれるかどうかはその人の人生の生き様そのものだからです。振り返って自分自身を見つめてみると、私はとても「千の風」になることはできません。せめて「一つの風」になりたい、一つの風となれるように生きたい、というのが私の希望です。このたび開設した診療所の名前を「駒沢・風の診療所」としたのは、こうした願いをこめたものです。
―どのような治療を行っていらっしゃるのでしょうか?
まずひとつは、長年専門としてきたリウマチ・膠原病関連の治療です。膠原病は、漢字だけ見てもどのような病気なのか想像しにくいように、非常に複雑な疾患です。あえて一言で表現するなら「全身の結合組織に炎症や変性を起こす病気」でしょうか。循環器や消化器、呼吸器など、体のあらゆる部位に病変が起きる可能性があるので、治療には一つの専門分野の枠を超えた幅広い知識と技術が必要です。また、痛みを伴う上、長期的な治療になるので、精神的なケアも重要になってきます。この膠原病の他、内分泌疾患やアレルギー性疾患などの専門医療にも力を入れています。さらに一般内科の診療も行い、メンタル面や生活習慣にも着目した「全人的な医療の実践」を目標にしています。
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