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高津矯正歯科 高津裕介院長 (2)

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目立たず、早く、痛くなく…患者さんの望みのどう応えるか

―歯列矯正治療を開始するタイミングについてお聞かせください。

歯と歯ぐきが健康であれば何歳になっても治療をすることは可能です。実際に70歳を超えた女性の治療を行ったこともありますし、ご自身が歯列矯正治療に興味を持ったときが開始するのに良いタイミングではないかと思います。でもやはり、成長期に治療ができるのであればそれに越したことはないですね。乳歯から永久歯に生え変わるときに、歯並びのチェックを受けるのがべストでしょう。歯列矯正治療は例えるなら土木整備のようなものです。デコボコだった荒地を建物が建つように平らにならすようなイメージです。どんなに良い建物を建てても基礎が脆弱であれば建物も弱くなってしまいます。そのような意味からも、成長期のうちに理想的な顎の形に成長するようにサポートすることが望ましいです。

―患者さんの考え方に変化を感じることはありますか?

歯列矯正治療に対する、理解や認知度が上がるにつれて、歯列矯正治療について知識を持っている患者さんが増えました。しかし、どれだけ知識や理解が深まろうとも、他人から気がつかれず、一日でも早く、痛みが少なく治療を行って欲しいという望みは変わりませんね。昔に比べれば、目立たない装置で、早く、痛みが少なく治療をできるようにはなってはいるのですけどね。患者さんのそれらの望みにどう応えていくのかが、私たち矯正歯科医の命題でもあると思っています。

―思い出に残る患者さんとのエピソードをお聞かせください。

70歳を超えた女性が前歯のデコボコが気になると来院されました。その方に治療方法を提示するたびに、抜歯はダメ、インプラントもダメだと、次々に治療案を一蹴されるので、彼女の要望通りの治療はできないだろうと3回ほど治療をお断りしました。それでも治療をして欲しいと言って頂いたのですが、行き詰ってしまいました。冷静になって考えると、その患者さんは、高齢にも関わらず26本も歯が残っているのです。つまりそれだけ大切に手入れをされてきたのですから、抜歯をしたくないのだと後になってその方のお気持ちに気がつきました。抜歯をせずに済む方法はヘッドギアの装着しかなかったのですが、嫌がらずに受け入れてくれ、治療の効果も見えてきました。転勤を余儀なくされた私は、その患者さんの仕上がりを見ることはできませんでしたが、その方からたくさんのことを学びました。患者さんの気持ちにいかに応えていくのかも歯科医師にとって大切なことだと身を持って知ることができました。3年かかる治療を1年半で終わらせてくれと言われたときには無理難題だと絶句しましたが(笑)。私にとって忘れられない患者さんのお一人です。



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