アゼリア・ストーリー 第4回 PART-2
桑田真澄さん (麻生ジャイアンツ会長)
もっと深く子供たちに指導したい
―桑田会長が麻生ジャイアンツを結成されたのはどういう思いからですか?
全国の野球教室に呼ばれ、子供達を指導しているうちに、自分のプロ野球選手としての経験を、子供達に伝えたい、もっと深く関わって指導したいと思うようになったんです。それが麻生ジャイアンツを結成した理由です。少年野球の世界では、まだまだ昔ながらの練習方法が繰り返されているところが多いと聞きます。僕が小学校、中学校、高校、プロとして歩んできた経験から、「中学生の時にはこういう技術は身につけておいたほうがいい」とか、「そのためにはこの位の体力が必要」という基準を設定しています。それを寄り道せずに習得するために、ベストな練習方法を子供達に伝えていきたいと思っています。
VTRで選手の成長を確認して次の練習メニューを作ります
―子供達とは具体的にどのように関わっていらっしゃるのですか?
毎回の練習メニューは基本的に僕が考えています。子供達の練習への出欠の情報や、体調、怪我の具合などの情報は練習前には届きますので、そういう情報を元に練習メニューを作成します。
―シーズン中もですか?
そうですね。昨年アメリカにいる時も、メールで情報をもらって、メニューを作成しました。アメリカにいてもパソコンに子供達のプレーのVTRを送ってもらって、それぞれの選手の成長を確認しながら「あの子はここまで成長したのか。じゃあ次はこういう練習メニューを」というように、チームスタッフに具体的に指示を出していました。
―プロのアスリートでありながらそういった時間の確保は難しくありませんか?
プロのアスリートであっても、余暇が無いわけではありませんから(笑)。他のプロ選手もそれぞれに気分転換をはかったりしています。僕は自分のトレーニング以外の時間の一部を子供達の指導に充てているというだけです。
何度失敗してもいい。そのたびに起き上がればいい。
―指導をする上で心がけていらっしゃることは何ですか?
麻生ジャイアンツは最強軍団を作る事が目的じゃない。野球を通じて体力・精神力はもちろん、大人になって様々な世界で活躍できる“人間力"を培う場にしたいと思っています。野球ですからもちろん勝つ事は重要だし、勝利を目指して練習に取り組むわけですけど、勝つことは二番目でいいんです。一番重要なことは、努力することの大切さに気付いてもらうこと。何度失敗してもいいんです。失敗しても、失敗しても、その度に起き上がればいいじゃないかということを子供達に伝えています。そして起き上がる為のエネルギーは、毎日の努力からしか生まれないということを子供達に気付いてもらいたいと思っています。
グラウンドの確保が課題です
―運営面で苦労されていることはありますか?
―やはり専用グラウンドが無いということが運営上の最大の課題です。川崎市には軟式野球場はたくさんあるけれど、硬式野球ができるグラウンドが極端に少ない。麻生ジャイアンツは誰に頼るわけでもなく、全て自分達でやるチームなので、親御さんも含めみんなで助け合って運営していますが、グラウンドを確保する方は本当に苦労されています。川崎市に硬式グラウンドを増やしてもらえればとは思いますが、各チーム、午前・午後で区切り、譲り合ってグラウンドを使うようにするなど、もっと工夫するべきだと思います。短時間の練習でも十分に効果的な練習は可能ですから。
川崎市には恩返しという気持ちもあります
―麻生ジャイアンツという地域社会に根ざす活動をされていますが、「川崎市」に対してはどんな思いをお持ちですか?
プロ入りしてから23年間、ずっと川崎市に住んできました。だから、地域社会に貢献することは恩返しという気持ちもあります。縁あって川崎市に住むようになり、縁あって知り合った方たちと麻生ジャイアンツを立ち上げる事ができた。そして縁あって毎年入ってくる子供達がいる。これからも川崎市で出会った一つ一つの縁を大切にしていきたいと思います。
麻生ジャイアンツプロフィール
2004年8月にプロ野球の桑田真澄選手(当時読売ジャイアンツ)と関谷俊郎氏(現総監督)が発起人となり立ち上げられた麻生区のボーイズリーグチーム。
2004年10月に日本少年野球連盟に所属。2005年3月より公式戦に参入する。強豪ひしめく神奈川県の各大会において、優勝(1期生・3期生)、準優勝(2期生)という好成績を収めている。
http://www.asao-g.com/index.htm





























