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アゼリア・スタイル

アゼリア・ストーリー 第5回
藤井恵さん (料理研究家)

「これおからのコロッケなんですが、召し上がりませんか?」と笑いながら取材スタッフに切り出した藤井恵さん。料理研究家としてレギュラー出演する「3分クッキング」では見られない気さくな一面に取材現場が和らいだ。料理研究家として活躍しながらも、二児の母、家庭の主婦という立場もしっかり両立されている藤井さんは川崎育ち。「おてんば少女だったので、よく柿の木に登ったりしていました」料理研究家として踏み出した当時のこと、家族のこと、川崎の思い出など、お話をうかがった。(取材日2008年1月22日)
▲ 「母の料理が私の原点かもしれません」

夢はテレビにでている料理を食べること。料理アシスタントからスタート

― 幼い頃から料理がお好きだったのですか?

そうですね。小さい頃から料理番組や、銀行においてあるお料理レシピを見るのが大好きでした。その頃の夢はテレビに出ている料理を食べることでした。作ることじゃないんですけど(笑)。そんな料理好きの私のために、母が一生懸命作ってくれた料理を今でも覚えています。ひき肉とコーンとトマトを使った料理だったのですが、とても美味しかった。母はあまり料理が得意ではなかったので、かなり頑張ったんだろうと思います。その時の感動が私のお料理の原点になっているのかもしれません。


▲ 『ホットケーキミックスで大好きお菓子(学研)』手軽に作れるお菓子をわかりやすく紹介
▲ 「本で紹介しているテーマも“家族のごはん”ですね」

― お料理を仕事としてはじめられたきっかけは何だったのですか?

女子栄養大学在学中に、テレビ番組の料理アシスタントを務めるようになりました。それがお料理を仕事としてはじめた最初です。それから、しばらくはお料理の仕事を続けていましたが、結婚し出産してから5年間は専業主婦として子育てに専念していました。次女が生まれ、長女が幼稚園に通い始めた頃、知り合ったお母さんたちとお料理を持ち寄って食事会をしていたのですが、それがきっかけで料理教室を始めることになったんです。当時はまだ珍しいサロンスタイルのお料理教室です。私が作ってみなさんに食べていただくこのスタイルは、小さいお子さんを抱っこしながらでも参加することができますし、たくさんの人とお料理するのは苦手という方にも参加していただけました。レシピはみなさんに持って帰っていただいて、教室で食べた味や作り方を覚えてもらう。その後、みなさんのアレンジでそれぞれのご家族の味付けにしていただけたらいいなと思っていました。とても楽しいお料理教室だったんですが、使う食器にこだわりすぎて、お仕事としてはぜんぜん成り立ちませんでした(笑)。その頃からまたテレビでのお料理の仕事に復帰してみないかというお話をいただくようになって、本格的に料理研究家として仕事をスタートしました。

▲ 「身近な素材を使った、手軽で美味しい料理が私のモットー」

身近な素材で手軽に美味しい料理を。食の記憶を満たしてあげたい

― 本格的にお仕事にされてからのご苦労はありましたか

最初は仕事と子育てと家事のバランスがとれなくなってしまって、毎日2時間ぐらいの睡眠でした。就職しなかった私には、ひとつの仕事を任されて全てこなすという経験がなかったので、アシスタントとしてではなく、仕事全般を任せられた緊張と、家事も子育ても完璧にしなきゃいけないという重圧で、仕事と家事との切り替えがうまくできなかったんです。ここ数年はそんな生活にもなれ、やっと仕事と家事の両立ができるようになりました。今は専ら早朝仕事主義。決してダラダラ仕事をしない。暮らしにメリハリをつけています。


▲ 「仕事と家事のバランスがやっととれるようになってきましたね」

― 料理研究家としてモットーをお教えください。

私の料理は家族のためのごはんです。風邪をひいた時にこういうもの作ってくれたなとか、それぞれの人に大切な食の記憶があると思うんです。そういう大切な食の記憶として刻まれる料理を作っていきたい。だけど、凝った料理を毎日作るのは大変です。身近な素材を使って、手軽に美味しい料理が提案していけたらいいですね。


年配の人にも子供にも、障害を持った方にも暮らしやすい川崎に

― 生まれ育った川崎は藤井さんにとってどんな街ですか?

私の育った川崎は、当時はまわり一面、田んぼだったんですよ。稲が刈り取られ、春には一面レンゲが咲き誇っていて、そこで走り回っていました。あちこちにあった柿の木に登ったりしていましたね。小さい川でザリガニをとったり、毎日自然と戯れていて、すごく楽しかった思い出があります。


▲「みんなが活き活きと暮らせる川崎を期待しています」

川崎のオススメスポットなどはありますか?

実家の近くで開催される”不動院のダルマ市”は大好きで、毎年帰省がてら必ず行っています。当時、地域の行事は学校も力を入れていて、ダルマ市の日は半日授業で友達と毎年遊びに行きました。あとは“どんど焼き”ですね。ご存知ですか?ダルマや松飾りなどを持っていって燃やすんです。今年も娘たちとともに行ってきました。ダルマ市もどんど焼きもずっと続けていただきたい行事ですね。

― 今後の川崎に期待されることはどんなことでしょう?

今でも両親や兄たちは川崎で暮らしています。実家にも頻繁に足を運びますが、どんどん素敵な街になっている気がします。昔と変わらない緑が溢れ、そこに新しい街が調和している。これからも、自然のある環境を守りながら、住みやすい街であってほしいと思います。私の両親のような高齢者も、川崎で生まれ育つ子供たちも、ハンディキャップを持った人たちも、活き活きと暮らせる街を目指して欲しいです。

* * *

藤井 恵 プロフィール

雑誌やテレビで活躍中の料理研究家、管理栄養士。彼女のシンプルで作りやすく美味しいレシピは人気。近著は「大好き!ホットケーキミックスでお菓子」「フードプロセッサーの料理レシピ」「圧力鍋の料理レシピ」など。


不動院のダルマ市 (川崎市麻生区)

不動院の縁日は1月28日。境内やその周辺に農機具やおみやげを売る露店の他、ダルマを売る店が多数出店され、「関東の納めダルマ市」と呼ばれている。不動院の縁日にダルマが売られるようになったのは、明治の終わり頃。転んでも起き上がるダルマは縁起が良いとされ、生産の豊穣・商売繁盛・開運厄除の縁起物とされている。

  • 所在地:川崎市麻生区下麻生809
  • 交通案内:小田急線「柿生駅」から市営バス溝17・柿04、小田急バス柿21、東急バス柿01系統「麻生不動入口」下車、徒歩3分

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